SULFUR PROCESS サルファー加工

サルファー加工の効果

バイアル内に硫酸アンモニウム水溶液を注入し、その後、アニーリング工程の熱処理において、発生した亜硫酸ガスとホウケイ酸ガラス由来のアルカリ金属とを反応させます。反応させることで内表面からアルカリ成分を選択的に除去します。pHの塩基性シフトやアルカリ金属との反応が懸念される製剤において安心して使用できます。

塩谷硝子製のバイアルは、サルファー加工前の状態でも、各国薬局方を満たす低金属溶出の特性を備えていますが、そこから本加工を施すことで更なる溶出抑制が図れます。

加工方法

一次加工を終えたバイアルに硫酸アンモニウム水溶液を入れ、その後のアニーリングにて主にアルカリ金属と反応させます。バイアル内表面のアルカリ成分を選択的に反応・抽出することで低金属溶出を実現します。
処理を行ったバイアルはシリカ成分の多い表面層となり、アルカリ金属の溶出低減が図れます。

データで見るサルファー加工

通常一般未加工バイアルと比較した場合、シリコート加工の次に金属溶出量抑制に優れた結果を得ています。特にpHの塩基性シフトやアルカリ金属との反応が懸念される製剤に有効な処理です。

Na⁺イオン溶出量の比較

2mLバイアルNa⁺溶出量比較
10mLバイアルNa⁺溶出量比較
20mLバイアルNa⁺溶出量比較
  • 試験内容:2mL/10mL/20mL容量の塩谷硝子製バイアルに精製水を入れ、121℃/60分のオートクレーブ処理によりNa⁺イオン溶出量を計測
  • 当社、品質管理課 原子吸光光度計を使用して計測

サルファー加工の溶出抑制レベル

サルファー加工は化学反応によりガラス内表面の組成分布を意図的に変化させます。以下グラフの低pH加工バイアルとは一次加工品と呼ばれる特殊加工前のバイアルで、加工前の状態でも通常一般バイアルと比較して金属溶出抑制に優れていることが見られます。この低pH加工バイアルにサルファー加工を施すことで本結果を達成しています。

2mLバイアルNa⁺溶出量比較
10mLバイアルNa⁺溶出量比較
20mLバイアルNa⁺溶出量比較
  • 試験内容:2mL/10mL/20mL容量の塩谷硝子製バイアルに精製水を入れ、121℃/60分のオートクレーブ処理によりNa⁺イオン溶出量を計測
  • 当社、品質管理課 原子吸光光度計を使用して計測