VIAL バイアル
多彩なニーズに対応する塩谷硝子の主力製品。
独自の製法と厳格な検査が、その品質を支えています。
バイアル成型機には円周上に18ステップの加工工程が配置されています。筒状のガラス管(生地管)は肩部成型→口部成型→溶断→底部成型と次々と加工されていきます。
バイアル成型機は「脱・職人」を見据えた改良が重ねられています。また、各工程の数値化や標準化の取り組みも進め、塩谷硝子は高品質な製品を安定して生産・供給することを実現しております。
世界でもトップクラスのコンパクト性と生産性を両立させた当社の縦式バイアル成型機は、すべて自社開発によるものです。改良を重ね、長年培った硝子加工のノウハウを注ぎ込むことにより、特殊形状の加工においても高い精度と再現性を実現しています。
58年以上バイアル加工に携わり、培われた技術と的確な管理体制の下で、多種多様なご要望に高品質な製品づくりでお応えいたします。
多種多様なバイアル製造が可能
当社では、1mL~100mLまでのサイズ、および多彩な形状のバイアル製造が可能です。例えば、バイアル口とネジ形状が一体化された特殊な形状のニーズなどにもご対応しています。また、各国薬局方を満たし、世界最高水準の化学耐久性を有するバイアルの安定供給も可能です。
製品に対し、最も効果的なアニーリング条件を選択
回転しながら高熱で成型されるバイアルは、熱履歴の影響により部分的に歪みが発生するため、アニーリング(除歪)を行うことで、応力を除去します。
特殊な偏光フィルムで観察すると、アニーリングによる除歪の比較が可能となります。塩谷硝子では製造において最適なアニーリング条件を選定し、除歪を行っております。
品質第一主義を支える検査ポリシー
塩谷硝子の社訓には「品質を第一とする」と、シンプルかつ明確に掲げられています。塩谷硝子ではすべての製造においてパイロット製造を行い、品質管理課による品質確認を経てはじめて本生産に入る体制としています。また、生産中も絶えず品質確認および検査を行い、幾重にも設定された検査に合格した製品だけを市場に供給するという検査ポリシーを確立し、社訓である「品質第一」を実現しています。
画像処理による自動寸法外観検査と目視を併用した検査体制
現在では一般的となったカメラによる画像検査ですが、ガラス成型品においては光の反射やガラスのムラなどクリアすべき課題が多数ありました。塩谷硝子では、10年以上の歳月をかけて一つ一つ課題をクリアしていくことで、 寸法や形状のみならず、「人以上」の外観判定ができる段階まで性能を向上させました。
しかしながら、検査員の目に頼らなければならない箇所も存在することから、画像処理による検査と厳しい資格認定試験に合格した検査員を併用することで、いっそう厳格な検査体制を確立しています。
RO水による洗浄・乾燥工程
バイアルに限らず、当社製造の医薬品用ガラス容器に使用されるガラス管(生地管)は、成型前にRO水によるブラシ洗浄またはシャワー洗浄を行っています。洗浄後の生地管は、汚染防止のため電気乾燥炉でバッチ式の乾燥・冷却を行い、成型直前までカバーをかけ、清浄度を保っています。
バイアルの形状と仕様
代表的な形状はもちろん、用途に合わせてさまざまな形状のオーダーにご対応いたします。
バイアル成型工程
バイアル検査工程
データスペック
材質 | ホウケイ酸硝子 |
---|---|
容量 | 1mL~100mL(白・茶) |
標準品規格表(白)
容量 | A:胴径 | B:全長 | C:口外径 | D:口内径 | E:首径 | F:胴肉厚 |
---|---|---|---|---|---|---|
2mL | 16.0 | 33.0 | 13.8 | 8.9 | 11.4 | 1.0 |
3mL | 18.0 | 33.0 | 14.8 | 9.1 | 11.9 | 1.0 |
5mL | 23.0 | 43.0 | 19.7 | 12.5 | 15.5 | 1.2 |
10mL | 24.5 | 46.5 | 19.7 | 12.5 | 16.0 | 1.2 |
15mL | 25.0 | 58.0 | 19.7 | 12.5 | 16.0 | 1.2 |
20mL | 30.0 | 60.0 | 19.7 | 12.5 | 16.0 | 1.2 |
30mL | 33.0 | 63.0 | 19.7 | 12.5 | 16.0 | 1.2 |
50mL | 40.5 | 78.5 | 19.7 | 12.5 | 16.5 | 1.5 |
標準品以外のサイズ、容量の生産も可能です。お問い合わせください。
容量 | A:胴径 | B:全長 | C:口外径 | D:口内径 | E:首径 | F:胴肉厚 |
---|---|---|---|---|---|---|
2R | 16.0 | 35.0 | 13.0 | 7.0 | 10.5 | 1.0 |
4R | 16.0 | 45.0 | 13.0 | 7.0 | 10.5 | 1.0 |
6R | 22.0 | 40.0 | 20.0 | 12.6 | 16.5 | 1.0 |
8R | 22.0 | 45.0 | 20.0 | 12.6 | 16.5 | 1.0 |
10R | 24.0 | 45.0 | 20.0 | 12.6 | 16.5 | 1.0 |
15R | 24.0 | 60.0 | 20.0 | 12.6 | 16.5 | 1.0 |
20R | 30.0 | 55.0 | 20.0 | 12.6 | 17.5 | 1.2 |
25R | 30.0 | 65.0 | 20.0 | 12.6 | 17.5 | 1.2 |
30R | 30.0 | 75.0 | 20.0 | 12.6 | 17.5 | 1.2 |
50R | 40.0 | 73.0 | 20.0 | 12.6 | 17.5 | 1.5 |
標準品以外のサイズ、容量の生産も可能です。お問い合わせください。
シリコート加工、サルファー加工、シリコーン加工などの特殊加工にも対応いたします
試験データ
塩谷硝子製造のバイアルは原材料生地管の組成・特性を熟知しているため、成型加工温度、アニール温度をコントロールすることで二次加工なしに一次加工のみで各国薬局方を満たす製品を恒常的に供給することが可能です。
また、低溶出バイアル(SE, LE, LE+)、シリコート加工、サルファー加工などの特殊加工を施すことでニーズに応じた金属溶出抑制が可能です。
- 試験内容:2mL/10mL/20mL容量の塩谷硝子製バイアルに精製水を入れ、121℃/60分のオートクレーブ処理によりNa⁺イオン溶出量を計測
- 当社、品質管理課 原子吸光光度計を使用して計測
OTHER PRODUCTS
OTHER SPECIAL PROCESS
低溶出バイアル (SE, LE, LE+)
バイアルをアニール加工前に内面洗浄し、アルカリ成分の除去を行う新技術です。ニーズに応じた段階的な溶出抑制が選択できます。
NEW TECHNOLOGY
バイアルをアニール加工前に内面洗浄し、アルカリ成分の除去を行う新技術です。ニーズに応じた段階的な溶出抑制が選択できます。
シリコート加工
特殊加工の中では最も金属溶出を抑制する技術です。ガラス容器の内表面にシリカ膜をコーティングすることで金属溶出を封じます。
特殊加工の中では最も金属溶出を抑制する技術です。ガラス容器の内表面にシリカ膜をコーティングすることで金属溶出を封じます。
サルファー加工
バイアル製造工程中に硫酸アンモニウム水溶液を注入し、加熱・反応させることで低金属溶出を実現しています。
バイアル製造工程中に硫酸アンモニウム水溶液を注入し、加熱・反応させることで低金属溶出を実現しています。